石田衣良 「眠れぬ真珠」

第13回島清恋愛文学賞を受賞した石田衣良を代表する恋愛小説。

2017年には藤原紀香主演でテレビドラマ化された。

「眠れぬ真珠」

あらすじ

45歳、独身。

内田咲世子は版画家としての人生の後半を逗子のアトリエで過ごしていた。

好きなことを仕事にし、絵を描くことに没頭できる日々はある意味幸せなのかもしれない。

出会いは突然だった。

17も年下で映画監督として駆け出しの徳永素樹に、自分でも信じられないほど惹かれていく。

中年と呼ばれる歳に差し掛かった咲世子にとって、素樹との恋はあまりに甘く、危うかった。

久々に少女のような恋をする歓びと同時に、常に心の奥にある別離の予感。

映画監督としての才能をこのままでは殺してしまうのではないか。

素樹は私なんかといて本当に幸せになれるのか。

そして素樹の幼馴染で類稀な美貌を持つ新進気鋭の女優ノアが咲世子の前に現れる。

理想と現実の狭間に揺られながら、最後に咲世子は大きな決断を下した。

感想

とても美しくて儚く、情熱的で淡い恋が描かれている恋愛小説です。

ネタバレしたくないのであまり深くは書けませんが、ラストは衝撃の展開でした。

少し現実離れしたことが起きたり、性描写が細かく書かれているものの、かなり王道の男女の恋が描かれています。

しかし、やはり驚きを隠せないのは男性によってこの小説が書かれたということ。

石田衣良の作品は、女性の心情の変化や考え方がとてもリアルで緻密、そして表現もとても女性的です(僕は男性なのでなにが本当のリアルかわかりませんが)。

これからもたくさん傷つくことがあるだろう。また自分自身をまったくの無価値だと呪う日がくるかもしれない。この青年のことを憎むときだって、きっとあることだろう。

だからこそ、今このときを逃さないようにしよう。今日は明日よりも、いつだって一日だけ若いのだ。

このような考え方は男女ともにするかもしれませんが、どこか淡く傷つきやすそうな女性的な表現ができる男性作家はそう多くはないと思います。

儚くも情熱的で、瞬間を永遠と感じるような、心にグッとくる恋愛小説を読みたい人はぜひ石田衣良の「眠れぬ真珠」を読んでみてください!

それでは、Tchau, Tchau!

余談ですが、小池真理子の小説「恋」に海などの風景、また登場人物の恋愛に対する葛藤や向き合い方の描写が似ているな、と思っていたら解説が小池真理子で驚きました。

久々に小池真理子の恋愛小説も読みたい!

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