伊坂幸太郎 「チルドレン」

伊坂幸太郎の短編小説に見せかけた長編小説です。(実際には連作短編です)

「バンク」、」「チルドレン」、「レトリーバー」、「チルドレンⅡ」、「イン」の5つの短編で構成されていますが、それぞれが繋がっていて、最後にしっかりとオチがあります。

伊坂幸太郎らしい、ポップで不思議な世界観がたまらなく面白い作品です。

「チルドレン」

あらすじ

銀行強盗の人質になり、縛られているのに陣内だけは喋ることをやめない。

ついには歌なんか歌いだす始末である。

またある時は、「恋した俺のためにこの場所は時間が止まっている」なんて言い出す。

いつも無茶苦茶な論理で自分の正義を振りかざし、自由奔放で、絶対に自分の過ちを認めない、しかしどこか憎めず、なぜだか構いたくなってしまう陣内。

彼の周辺で起きる不思議な出来事にはすべてちゃんと意味があり、ついつい何かを期待してしまうから不思議だ。

感想

登場人物のコミカルさは伊坂幸太郎の代名詞です。

「チルドレン」は連作短編ですが、もちろん例外ではなく、どの登場人物も一度はクスッと笑わせてくれます。

僕は伊坂作品によく出てくる、破天荒な男にクールな突っ込みを入れる(でもどっかでドジを踏む)冷静沈着なキャラが大好きです。

時も場所も異なる5つの物語で構成されていますが、すべて陣内という横暴で風変りな男が絡んでいます。

実に変わった男で、意味不明な理屈で物事を無理矢理進めてしまいますが、不愉快を通り越してなにかが面白い。

強引さが清々しいのかもしれないですね。

他の登場人物も僕と同じ気持ちで陣内と付き合っていると勝手に想像しています。

「―――これは絶対にうまくいく片想いなんだよ

―――絶対と言い切れることがひとつもないなんて、生きている意味がないだろ」

「なるほど」長瀬もわたしも、勢いに気圧された。

陣内には盲目の長瀬という友達がいます。

彼は非常に頭が良く、洞察力もあり、何事にも寛容な素晴らしい人です。

目が見えない長瀬に道行くおばあさんが善意でお金を手渡す場面があります。

そこで長瀬に対して陣内はこう言います。

「関係ないっつうの。ずるいじゃねえか」

こんなことを言う人は実際にはいないと思いますが、実に爽快です。

ちなみに伊坂幸太郎らしい他の作品とのリンクもしっかりあるので(僕が分かっただけでも、「陽気なギャングが地球を回す」と「ラッシュライフ」)、伊坂幸太郎ファンはぜひ読んでみてください。

伊坂幸太郎ファンじゃなくても、話の一つ一つが面白いのでとても読みやすく、楽しめること間違いなしです。

陣内がまたしても活躍?する続編「サブマリン」もいつか紹介したいと思います!

それでは、Tchau, Tchau!

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