百田尚樹 「永遠の0」

販売部数300万部を突破した百田尚樹のデビュー作。

2013年には岡田准一主演で映画化され第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した。

「永遠の0」

あらすじ

第二次世界大戦。

最強と謳われた零戦に乗り込む神風特攻隊の目には何が映っていたのだろうか。

日本という国への希望か、それとも失望か。

お母さん、ごめんなさい、と心の中で叫んだ。私の一生は幸せでした。お母さんの愛情を一杯に受けて育ちました。もう一度生まれることがあるなら、またお母さんの子供に生まれてきたいです。出来るなら、今度は女の子として、一生、お母さんと暮らしたいです。

健太郎は自分と同じ歳で亡くなった祖父の人生を調べていた。

祖父の宮部久蔵は零戦に乗り込んで戦死。

しかし、次々と集まる証言から祖父は自ら死を選ぶような人には思えない。

「とにかく生き延びることを第一に考えろ」

誰よりも生きて帰ることを望んでいた宮部。

天才的な飛行の技術を持っていながら、妻と娘を想い、命を何よりも大事にしていた姿を仲間はどのように見ていただろうか。

「どんなに苦しくても生き延びる努力をしろ」とまで言っていた人が、なぜ特攻に志願したのか。

宮部久蔵という人物が健太郎の中で徐々に形を成していく。

そして全ての証言が揃う時、明かされる衝撃の事実とは。

感想

解説で児玉清さんも書いていますが、この本に出会えたことを幸運に思います。

僕は大人になってから大分涙脆くなりましたが、予想通り号泣でした。

人前だったので(しかもモザンビークで)かなり歯を食いしばったのですが、全然ダメでした。

逆にこの本を読んで泣かない人はいるのでしょうか。

戦争についての考えをこの場で書くつもりはない(そもそも知識もそんなない)ので、シンプルに小説に対する感想を書きたいと思います。

ストーリーの構成が見事です。

健太郎と宮部の亡くなった歳が奇しくも同じ。

宮部個人に対する思いだけでなく、日本という国、そして戦争に対する思いが健太郎と同様にぐるぐると心の中に渦巻いてきます。

百田尚樹さんは今の時代を生きる現代っ子に語りかけているのでしょう。

そしてクライマックスに向けての話の盛り上げ方がとても渋いです。

テンポの良さというよりは、宮部久蔵のエピソードが鉛のように重く心にのしかかってきます。

完全に宮部に感情移入してしまうのは僕だけじゃないはずです。

宮部が貫き通した信念が徐々に大きくなっていき、生にこだわる想いに心が締め付けられます。

日本の戦争について想いを馳せたい人、感動で心を震わせたい人に限らず、すべての人に百田尚樹の「永遠の0」をオススメしたいと思います!!

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