有川浩 「空飛ぶ広報室」

雑誌「ダ・ヴィンチ」の「BOOK OF THE YEAR 2012」の小説ランキング第1位、第148回直木賞にもノミネートされた有川浩の長編小説。

2013年には新垣結衣主演で連続ドラマ化された。

「空飛ぶ広報室」

あらすじ

「ブルーインパルスに入るのが子供の頃からの夢だったんです!」

夢を掴みかけていた空井の道は突如として経たれた。

言い渡された転勤先は航空自衛隊航空幕僚監部広報室。

そこで空井は帝都テレビの自衛隊嫌いな若手ディレクター、稲葉リカを担当することに!

きつい言動となかなか心を開かない稲葉に振り回されっぱなしの空井。

彼女のような人にこそ自衛隊を理解してもらうのが究極の目的、と奮起する空井だが彼女は一筋縄ではいかない。

そんな空井の回りは一風変わった?頼りがいのある先輩達ばかりだ。

広報としての知識も経験も豊富で空井を指導してくれる比嘉。

階級が下の比嘉に異常なまでの対抗意識を持つ片山。

人前で尻を掻く残念な美人、柚木。

柚木に毎度突っかかる同じ班の槇。

自由気ままに見える先輩達も、彼らは彼らなりの事情を抱えていた。

個性の強い愉快な仲間に囲まれながら、ブルーインパルスに乗る夢を諦めなければいけなかった空井の心はどのように変化していくのだろうか。

年も明け、来年度の新CMを手掛けることになった空井。

一度の失敗ではめげずに作り上げたCMは近年まれに見る大成功。

…となるはずだった。

止まない鋭い逆風に空井はどのように立ち向かうのか。

そして稲葉との関係も思いもよらない展開に!

感想

有川浩さんが描くキャラクターは例外なく優しい気持ちで応援したくなってしまうのは僕だけでしょうか。

僕の中ではその理由が明確で、登場人物が全員「可愛い」から。
もっと具体的に言うと、みんな人間味があり、どこか少し抜けているので、親近感が湧き、頑張ってほしい気持ちにいつもなります。

また、怖い人や訳わからない人、嫌な人が出てこないので、読んでいてとても清々しいです。

どの作品もそうですが、こんなにも心が沈まずに常にウキウキして読んでいられる作家も珍しいと思います。

この作品は、有川浩らしい乙女の甘い恋愛は抑え目です。

続きが読みたい!と切実に思うのはもっと糖分を欲しているからかもしれません。

しかしその分、焦点を当てられている自衛隊に関しては非常に細かく、そして明瞭に描かれています。

そして、イメージが湧きにくい広報室を題材にして、ここまで面白くしてしまうその筆力は圧巻です。

もちろん自衛隊の広報室を題材とするアイデアだけでなく、人間関係にもしっかりストーリーが織り込まれています。

比嘉と片山の関係、柚木と槇の関係は主人公たちと負けず劣らず実に切なく淡い青春のような甘さで描かれています。

何かに失敗してしまって落ち込んでいる人、夢を諦めずに追いかけたい人はぜひ有川浩の「空飛ぶ広報室」を読んでみてください!

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